研究概要 |
前年度の剛体解析を拡張し, はじめに柔軟物体の衝突現象を高速カメラによる動作解析を下に, マクロにモデル化した. 一本指ロボットの先端プレート上に置かれた対象物の操り問題にまで踏み込んで, 操り戦略を構築した. プレート付きマニピュレータの高速動作によるダイナミックな効果を積極的に利用し, はじめに, 《並進Xおよびその並進軸回りの回転Θ》の計2自由度がプレートに与えられるという条件下で, プレート面上で対象物に相対3自由度(並進2, 回転1)運動を生成するためのプレート動作計画の枠組みを構築した. このとき, 入力となるプレート自由度数2に対して, 出力となる対象物位置・姿勢の自由度数が3であり, 一般に, 対象物に生成される並進・回転運動がカップリングして起こるため, 目標位置・姿勢を同時に実現するためには, 複雑な運動解析と軌道計画を要することがある. 一般論としてこのような煩わしい問題がある中で, 本研究で採用するプレート自由度構成では, 任意の初期位置・姿勢から最終的に任意の目標位置・姿勢に到達することが容易に保証できる. これは, 採用する自由度構成によって, 対象物の3運動自由度中, 2自由度を独立して生成できることに起因しており, カップリングが少ないという観点から操作性の優れたプレート自由度構成であることを裏付けるものである. この操り手法を, 動的シミュレータにより, 対象物モデルと衝突モデルの理想的条件下において, 数値的に有効性を確認した. 最後に, 高速マニピュレータとビジョンから構成される実験システムを構築し, 提案する操り手法の有効性を実験的に確認した. ここでは, 対象物の位置および角度誤差を, 高速ビジョンからフィードバックし, 任意の目標位置・姿勢を最終的に同時に実現できることを実験的に確認した.
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