研究概要 |
本研究ではアキシャル型セルフベアリングモータを用いたセルフパワード磁気軸受システムを提案している。本モータは, ディスク型モータと同様の構造を持ち, ロータの回転制御とアキシャル方向の位置制御を同時に行う。二つの機能を一体化したため, 装置全体の小型化, 簡単化を可能にする。従来はモータとして機能させた場合について研究を行ってきたが,本モータは通常のモータと同じ構造のため, 発電機として機能させることも可能である。よって本研究では,発電による電気エネルギーを利用してロータの位置制御を行い, 停電時などにおいても安定した浮上制御を可能にすることを目標とする。 平成20年度は, スイッチング回路によりアキシャル方向力の制御が可能かどうか検討を行った。ステータはY結線の三相巻線とし, 各相に二つのスイッチを取り付け, 発電負荷に流れる電流の大きさ, 向きを切り替える。今回は発電負荷を抵抗とし, 数値シミュレーションと実験により, スイッチングパターンと軸方向の吸引力, ブレーキトルクの関係について調べた。まずスイッチの切り替えパターンを固定し, ロータを回転させた場合について数値シミュレーションを行った。その結果,ロータの回転角位置によってアキシャル方向力が変化することが確認できた。さらに切り替えパターンを変化さえると, 吸引力の位相特性や大きさが変化し,様々な切り替えパターンを組み合わせることで吸引力が制御できる可能性があることが確認できた。そしてスイッチ回路を製作し, 実験により実際に切り替えパターンを変えることによって吸引力が変化することを確認した。また吸引力を目標値に制御する切り替え方法を提案し, 数値シミュレーションにより目標値通りの吸引力が発生できることを確認した。以上より発電機として用いながら軸方向の位置制御を行うことが可能であることを確認した。
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