研究概要 |
昨年度製作した階段昇降機能を付加した担架システムを参考に,より小型・軽量化を実現した担架システムを製作した.そして,担架システムを用いて「要救助者を持ち上げることなく担架へ乗せる」という機能の再確認,および「階段の昇降」に対する性能評価を行った. また,「利用者の意思に基づいた直感的な操作が行えるシステム」として操作システムの簡易版を製作した.これは,担架システムが複数台のクローラを連結しだものとなるため,操作が非常に複雑となる.その複雑となる操作系を直感的に操作できるよう,担架に接続したレバー操作に応じた動作が行えるシステムである.しかし,最終的にはクローラの操作は,階段昇降の際の直進動作のみであったため,操作システムは不要となった.しかし,システムとしては構築できたため,今後違った現場で利用できると考える. 製作した担架システムを用いて,実際に要救助者を担架に乗せることができるか(担架ロボットを体の下に潜り込ませることができるか)について確認した.過去の実績からも,問題なく要救助者の体の下に潜り込むことができるということが確認できた.また,階段の昇降実験を行った結果,安全性の面で実際の人を乗せずに実験を行ったが,40kgf程度の重量物を乗せた状態で階段の昇降が行える事が確認できた.その際,従来だと発生していた階段の昇降時における操作者にかかる負担もクローラのパワーアシスト効果により軽減されていることがわかった.これらの性能を実現しつつ,昨年度の35[kgf]から21[kgf]へと大幅に軽量化を行うことができ,隊員が現場へ担いで搬送することが可能なレベルとなった.
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