研究概要 |
1.マイクログリッドモデルの計算機シミュレーション(連系継続可能時間の算出):同期発電機を有するマイクログリッドが限流器を介して配電系統と連系することを想定し,系統故障時にマイクログリッドを解列して,同期発電機が自立運転を継続できる解列時刻の限界値(連系継続可能時間)を明らかにした。また,連系線に限流器を導入することによって,連系継続可能時間が変化することを明らかにした。抵抗型限流器の場合,限流器で消費される電力が発電機を減速させるため,限流器なしの場合よりも連系継続可能時間が短くなる場合があることを示した。また,リアクトル型限流器の場合,限流器自体が有効電力を消費しないため,発電機には強い減速力が働かず,自立運転時における負荷消費電力が平常時の値とほぼ同じとなり,連系継続可能時間が長くなることがわかった。 2.マイクログリッドモデルの計算機シミュレーション(限流器による瞬時電圧低下補償):マイクログリッドを連系した配電系統の上位系統で故障が発生することを想定し,それに伴う瞬時電圧低下を限流器により補償し,マイクログリッド内の電圧を補償することを検討した。抵抗型限流器により瞬時電圧低下を補償する場合,瞬低後に限流器のインピーダンスを平常時の値に戻す必要があることを明らかにした。また,限流器復帰時に発電機から過電流が発生することがわかった。 3.IGBTを用いた転流型限流器の製作:平常時はIGBTに電流を通電し,系統故障時には過電流を検出して,IGBTのゲートをオフ,並列接続したインピーダンスに電流を転流させるタイプの限流器を製作した。 4.限流器を介して系統連系するマイクログリッド試験モデルの構築:3.で製作した限流器を介して,同期発電機,負荷からなるマイクログリッドを交流電源に連系した試験モデルを構築した。平成20年度に試験を実施し,限流器による電圧補償試験,マイクログリッドの自立運転移行試験を行う予定である。
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