研究概要 |
1. 限流器によるマイクログリッド内の瞬時電圧低下補償 : 限流器を導入すると, 系統故障時の過電流を抑制することができる。この技術を応用して, 同期発電機を有するマイクログリッドが連系されている配電系統において瞬時電圧低下が発生した場合, マイクログリッドの連系線に限流器を導入することにより, マイクログリッド内の電圧低下を十分に補償できることを明らかにした。電圧低下に対して, 限流器が発生するインピーダンスの増加に伴って補償効果は大きくなり, また, リアクトル型限流器よりも抵抗型限流器の方が補償効果は大きいことを明らかにした。電圧低下を平常運転時の80%以上に補償するために必要となる限流器の発生インピーダンスは, 抵抗型限流器の場合, マイクログリッド内に設置されている同期発電機の過渡リアクタンスの2倍相当であることを明らかにした。 2. マイクログリッドの連系継続可能時間 : 同期発電機を有するマイクログリッドが限流器を介して配電系統と連系することを想定し, 系統故障発生時にマイクログリッドを解列して, 同期発電機が自立運転を継続できる解列時刻の限界値(連系継続可能時間) を明らかにした。連系線に限流器を導入することによって, 連系継続可能時間が変化することを明らかにした。また, 限流器なしの場合に比べて, 抵抗型限流器は連系継続可能時間が短くする場合があり, リアクトル型限流器は連系継続可能時間を長くすることが分かった。限流器導入時の連系継続可能時間を明らかにしたことにより, マイクログリッドの現実的な解列時間よりも連系継続可能時間の方が長いことが明らかとなり, ひいては, 故障発生時におけるマイクログリッドの自立運転移行に対して, 限流器が悪影響を及ぼさないことを明白にした。
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