研究概要 |
本研究の目的は強誘電体Pb(Zr・Ti)O_3製の圧電トランス(PT)を用いた小型プラズマ発生器とその駆動用電源の開発を行い、動作特性と応用について検討を行うものである。駆動用電源については、PTに負荷抵抗を接続して駆動した際の基礎動作特性を検討した。駆動電圧や負荷抵抗の大きさによるPTの線形・非線形動作領域を明らかにした。電力変換効率は負荷抵抗に大きく依存し470kΩで最大90%を示した。駆動電圧を高くするとPTの共振周波数変動に伴い2次側電圧が低下したが、駆動電源により共振周波数の自動追従を行うことで、出力電圧をほぼ一定に保ちPTの連続運転が可能となった。放電リアクタの駆動においても同様に良好な連続運転特性を得ている。He/Xe混合ガス中の誘電体バリア放電(DBD)による真空紫外(VUV)光を利用した無水銀蛍光ランプについては、蛍光体を塗布しない状態でVUV光源として研究を遂行した。ガス圧力を400〜1000 Torr、放電ギャップ長を1〜4mmの範囲で変化させながらVUV発光強度を測定した。放電ギャップ長2mm、ガス圧力1000 Torrで最も強い発光強度が得られ、発光効率(相対値)はギャップ長1mmで最も高くなることを明らかにした。これらの結果は2009年電気学会全国大会等で発表した。PT2枚の並列運転を採用したオゾン発生器では、最大オゾン濃度75g/Nm^3、最大オゾン生成効率296g/kWhを得た。並列運転と短ギャップ化により過去に報告したPT単独運転型オゾン発生器より最大オゾン濃度を約3.8倍、最大生成効率を約1.3倍高めることができた。これらの成果は28th IEEE International Power Modulator Conferenceで発表し、その一部を論文にまとめPlasma Sources, Science and Technology誌に投稿中である。
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