研究概要 |
無線LANやBluetoothに代表される高速、大容量通信機器の集積化、小型化および省エネルギー化のため、現在の空芯インダクタに替わって、薄膜磁芯インダクタの実用化が急務である。しかし、通常の磁性薄膜はGHz帯域では共鳴損失が大幅に増加するため、その適用は困難である。この問題を克服のために、FeCo/NiFe積層薄膜、FeCo/反磁性体積層薄膜、FeCo/酸化物グラニュラー薄膜など薄膜構造の提案がある。一方、本課題では、これまでに例のない、アセチレンガス導入による反応性スパッタ法を用いて形成するFeCo磁性薄膜を、薄膜インダクタ用磁芯材料として提案する。高飽和磁化を示すFeCo合金薄膜は,異方性磁界Hkを大きくすることによって,共鳴周波GHzまでの広帯域化が可能となる。本研究の目標は、共鳴周波数は3GHz以上、比透磁率実部は1000以上、4πMsは20kG以上の高性能薄膜磁芯の開発である。
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