| 研究概要 |
フォトニックバンドギャップファイバ中で生じる共振結合という新規現象を理論的および実験的な研究を通して精査し,従来の光デバイスでは実現し得ない光学特性を備えたファイバ型光デバイス創生のための基盤技術を確立するとともに,それらを高機能波長選択デバイス,および高感度ファイバセンシングデバイスへ応用することを目的として研究を進めた.具体的には,まず,フォトニックバンドギャップファイバそのものの伝送特性の向上を図るため,世界的にも未解決な問題であった実効的単一モード伝送の実現と表面モード(コア周囲のシリカリング部分に局在するモード)の回避のための具体的な実現方法を提案し,高性能なフォトニックバンドギャップファイバの設計指針を確立した.さらに,研究代表者の研究グループが独自に開発を進めてきたベクトル型の有限要素法を用いて,フォトニックバンドギャップファイバカップラの基本特性,具体的には,結合長の波長依存性や偏波依存性,ファイバ損失などを高精度で算出できる数値計算手法を開発するとともに,数値計算手法と解析的アプローチとを融合した高速高精度計算が可能な新しい理論の枠組みを構築した.また,この理論と遺伝的アルゴリズムに基づく最適化手法を組み合わせたフォトニックバンドギャップファイバカップラの最適設計支援システムを構築し,狭帯域かつ低サイドローブの波長フィルタ特性を有するフォトニックバンドギャップファイバカップラの具体構造を提案した.
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