本研究では、データを伝送する際に、アプリケーションあるいは環境に適応してパフォーマンス最適化、低消費電力化、高信頼性化を目的とした符号化手法を動的に選択する符号化・復号化アーキテクチャの構築を目指す。平成20年度は、特に次の項目について検討を行った。 ・対象アーキテクチャにおけるアプリケーション実行時のプロファイル取得環境の構築 ・対象アーキテクチャにおいて、対象アプリケーションのパイプライン合成技術の検討 ・IDDQテストを利用した対象アーキテクチャの信頼性向上技術の検討 アーキテクチャの設定においては、アプリケーションや環境に適応するために、符号化・復号化モジュールにパフォーマンス、消費電力、エラー発生率を観測し、それをフィードバックして最適な符号化手法を動的に選定・変更する機構が必要となるが、実際にアプリケーションを実行した際のプロファイルを取得するための環境を構築した。FPGAボードを利用することで、効率的にプロファイルを取得できることを示した。また、-パイプライン合成技術については、アレイ型に演算ユニットが配置されたアーキテクチャにおいて、演算ユニット間の配線を考慮したパイプライン合成手法の提案・評価を行った。対象アーキテクチャの信頼性向上のために、平成20年度は、特に製造テスト向けの自動テストパターン生成技術についての検討も行なった。ここでは、従来手法と同等のカバレッジで効率的にIDDQテスト生成を行なう技術を提案した。 これらの要素技術を組み合わせて活用することで、実際にアプリケーション/環境適応型符号化方式に基づいた符号化・復号化回路を構築することが可能であり、今後のSoC開発において有効な1手法であると考えられる。回路設計・CAD
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