研究概要 |
本研究では, 屈折率が負になるDNG媒質(Double NeGative)の効率的な構造の開発を目的とし, 平成20年度は大型計算機(課金制)を用いた数値シミュレーションおよび, 基礎的な実験を行い, 本研究で目的とするDNG構造実現のための検討を行った. 前年度から進めていた, 数値シミュレーションにおいては, 高精度な解析手法がある程度構築でき, 国際会議や学会で報告した. この手法は, シミュレーションを行う際の媒質の境界条件に工夫をするものであった. これにより, 高精度かつ高速な数値解析が可能となった. さらに数値解析を用いて, 実際のDNG構造の検討をおこなった. これまで提案されている, 金属ワイヤと金属ループに基づく構造ではなく, 波長に比べて非常に小さな金属玉を周期的に配列する構造を提案した. 提案した構造は, これまでの構造の様に異方性を持つ物ではなく, 等方性と考えられ, これまでの構造よりも優れていることを示した. 作成方法もこれまでの構造より容易と考えられる. この成果については今後論文として発表する予定である. さらに, 基礎的な実験を行ったが, この点にはまだ検討が必要であり, 学会等での発表には至らなかったが, 実用的な構造のメタマテリアルの基礎検討は十分に行え, 今後の発展が見込まれた.
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