研究概要 |
本研究では, CDMA技術を電子透かしに応用させて, 結託耐性の高い電子指紋方式を提案した. 本システムでの指紋信号は, 直交系列を擬似直交系列であるPN系列を用いて変調させており, 2種類の系列を多重化させている. 2種類の系列はそれぞれグループIDとユーザIDを示しており, 階層構造を実現させている. 検出の際には, まず不正者の属するグループを検出し, その中のユーザに絞り込みを行うことで, 必要な計算量を対数オーダーに抑えてることができる.また, 複数のユーザが結託して作成された不正コピーには複数の系列が多重化されており, その干渉成分のために検出性能が劣化していた.この干渉成分を効果的に除去するために, 2酒類の閾値を使い分け, 繰り返し検出操作を行うことで検出率を飛躍的に高めことに成功した.さらには, コンテンツ配信を考慮して, 不正者の立証を可能とする非対称型の電子指紋プロトコルに実装する方法を提案した.結託耐性の高いスペクトル拡散技術に基づく電子指紋方式を採用でき, 従来方式と比べて攻撃に対する耐性だけでなく通信データ量の削減も図ることができた.
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