研究概要 |
安全運転支援システムの実現のための車車間通信システムとして,車両位置に基づいてチャネルを選択する方式のMACプロトコルについて検討を行った.検討する方式は,予約型通信方式を基本として,予約を行う制御フレームを道路上の車両位置に対応させて実現する方式である.制御フレームでは車両位置に基づいてチャネルにアクセスするタイミングを決定するため,信号の衝突なくメインフレームのスロットの予約が可能となる.本方式ではメインフレームを制御フレームとデータフレームに分ける形式となることから,従来の位置情報に基づいた方式の欠点となるチャネルの利用効率を改善することが可能となる. 提案する車車間通信方式について,街路の多い都市部での使用を前提として,次のような状況で通信を可能とする伝送速度を求めた.メインフレームの繰り返し周期は,ITS情報推進システム会議の実験用ガイドラインを含め多くの例で検討されている100msを仮定した.通信範囲も同様にこのガイドラインよりも大きい範囲を格納するために,車両の前後左右200mからの通信が可能である状況を仮定した.この場合,400m四方の範囲からの通信を重なりなく受信できるようにする必要がある.このため,エリアの繰り返しはその倍となる800m四方で繰り返すことになる.その結果,街路の多い都市部で前後200mの範囲で通信を行う揚合には,10Mbps程度の伝送速度が必要であることが明らかとなった.
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