研究概要 |
本研究では, 組織構造に着目しより効率的な知識継承を実現可能な組織構造を明らかにすることを目標とし (1) 企業における効率的な知識ネットワークの構築 (2) 組織構造を考慮したナレッジマネジメントの効率化をめざし研究を行なった. その研究成果は以下の通りである. (1) 人的ネットワークの分析として, 企業などで利用されている小規模ソーシャルネットワークサービス(小規模SNS) の分析を行ない, 小規模SNSの特徴を明らかにした. 今後, この分析結果に基づく, 人的ネットワークを考慮した知識継承ネットワークの構築が期待される. (2-a) 近年問題となっている派遣社員による人的ネットワークの破壊をモデル化し, シミュレーションを行なった. その結果, 派遣切りを行なうのと同等のコスト削減効果のあるワークシェアリングの手法を明らかにした. これによって, 適切なワークシェアリングを行なうことで人的ネットワークを破壊せずにコスト削減を実現可能になると期待される. (2-b) 知識継承モデルのアプリケーションとして, ロボカップレスキューシミュレーションにおける災害救助エージェントの作成を行なった. その結果, 中央での知識の断絶が発生した場合に個々のエージェントが知識を共有することで協調作業が行えることを確認し, ロバストな知識共有を実現した. 本手法を用いたエージェントチームを用いてRoboCup 2008 SUZHOU CHINA, Rescue Simulation League Agent Competitionに参加し, 第二位の成績を収めた.
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