研究概要 |
平成21年度は,仕事に関する加法的なコストを持つスケジューリング問題に対する最適解法の研究として,同じ性能の機械が複数台存在するという等価並列機械型の問題を対象とした.本問題に対しては,本研究と同様の考え方に基づいて,平成20年に海外の研究グループが効率のよい最適解法を提案している.この解法では,一段階目に列生成およびカット生成に基づく下界値計算,二段階目に分枝切除法および分枝切除価格法に基づく解探索を用いている.本研究では,この解法における二段階目の部分に汎用の整数計画問題ソルバを用いることで,アルゴリズム実装の困難さを回避すると同時に,計算の効率化を目指した.さらに,一段階目のカット生成において,新たなカットの導入するとともに,貧欲法によりカットを探索するアルゴリズムを構成した.この解法により,従来の解法では最適解を求めることができなかったベンチマーク問題に対して最適解を求めることに成功した.また,この研究と並行して,1機械スケジューリング問題に対してこれまでに提案した解法の改善を行った.以上の研究成果について,国際会議1件,国内会議1件の発表を行った.また,これまでに作成したプログラムを整理するとともに,研究成果に関するホームページを整備し,参考文献やベンチマーク問題に対する実験結果などを公開した.最終的には,このページを通じて,本研究で提案した解法のプログラムをオープンソースのソフトウェアとして公開する予定である.
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