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2009 年度 実績報告書

地球周辺電子密度の大規模データベースを利用した衛星測距誤差の補正に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19760275
研究機関金沢大学

研究代表者

後藤 由貴  金沢大学, 電子情報学系, 助教授 (30361976)

キーワードプラズマ圏 / 電子密度分布 / レイトレイシング / GPS測距
研究概要

本研究では、GPSに代表される衛星測距における補正精度の向上を目指して、科学衛星あけぼので取得された低周波波動の観測データおよび世界各地の電子基準点で取得されたGPSの受信データを利用してグローバルな電子密度分布モデルであるGCPMの精度を向上させた後、このモデルを利用した測距信号の伝搬シミュレータの開発および遅延量計算のモデル化に取り組んだ。本年度は、衛星観測のホイスラの分散特性を利用してGCPMの更なる改良を行うと共に、伝搬シミュレータに基づく測距遅延モデルの実験的な検証を実現するためにシミュレータプログラムの最適化を行った。GCPMの改良は、ホイスラの分散の再現性が劣化するパラメータ空間に対しオフセット補正を行うことにより、主としてプラズマ圏における電子密度の推定精度を向上させた。この解析から、通年日および地方時のパラメータ空間において、電離圏とプラズマ圏に対し逆の補正が必要であることが分かった。伝搬シミュレータに関して、計算能力が高くない可搬型のPCでも遅延量が短時間で計算できるようにプログラムを効率化することで、2周波のGPS受信機と組み合わせることにより実地検証が可能になった。また、シミュレータの核となるレイトレイシングのプログラムコードをインターネットを通して公開することで、世界中の研究者が利用できるようにした。GPSに代表される衛星測距において、衛星-受信機間に存在するプラズマによる信号遅延は、測距精度に対する最も大きなバイアス性誤差となるが、現行の補正モデルで仮定されている薄膜の電離層だけでなく、その外に広がるプラズマ圏の3次元的な密度分布を考慮した本遅延モデルの開発は意義あるものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] AKRの干渉縞を利用した月電離層探査に関する研究2009

    • 著者名/発表者名
      後藤由貴, 藤本貴政, 笠原禎也, 熊本篤志, 小野高幸
    • 学会等名
      第126回地球電磁気・地球惑星圏学会総会および講演会
    • 発表場所
      金沢大学(石川県)
    • 年月日
      2009-09-28
  • [学会発表] Feasibility of Lunar Ionosphere Exploration Using Low Frequency Wave Reflection2009

    • 著者名/発表者名
      Y. Goto, T. Fujimoto, Y. Kasahara, A. Kumamoto, T. Ono
    • 学会等名
      6th Annual Meeting Asia Oceania Geosciences Society
    • 発表場所
      Suntec Singapore International Convention & Exhibition Centre (Singapore)
    • 年月日
      2009-08-14
  • [学会発表] GPSトモグラフィによる低緯度におけるGlobal Core Plasma Modelの統計的評価と改良2009

    • 著者名/発表者名
      後藤由貴, 井出貴将, 笠原禎也
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2009年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場(千葉県)
    • 年月日
      2009-05-18

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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