1. 当研究室で電界センサの解析を行うため、あけぼの衛星の観測データを保存するためのファイルサーバの構築を行った。金沢大学には18年に及ぶ膨大な観測データが保存されているが、当研究室に構築したファイルサーバに5年分のデータを保存しておくことで、統計的解析が可能な環境を構築した(18年分のデータを保存するためには、さらにハードディスクの増設が必要である)。また、サーバのハードディスクの故障や、予期せぬ停電によるトラブルへの予備対策として、システムにlTBのハードディスクを2つ搭載しミラーリングを構成し、無停電電源装置の設置を行った。ファイルサーバの構成としては、ハードウェアとしてパーソナルコンピュータを用い、オペレーティングシステムとして無償のLinuxやそれに付随するサーバ用プログラム及びプログラム開発環境を用いることで、安価で高性能なシステムを構築した。 2. ファイルサーバに保存されているデータから電界センサのインピーダンス計測に関するデータを抽出して解析を行うプログラムを開発し、膨大なデータの中から欲しい情報だけを容易に取り出すことができるシステムを構築した。抽出・解析プログラムの開発には汎用性の高いC言語を用いることで、同じ分野の研究者とプログラムの交換を可能とした。金沢大学には観測された電磁波動データ、粒子データなどのデータベースが既に構築されているが、本研究では電磁波動データの校正に関する部分についての解析プログラムを開発し、将来的には金沢大学のデータベースに組み込むことを想定している。また、お互いの技術を交換し合える環境を構築することで、それぞれのシステムのアルゴリズムを相乗的に高効率化できるようにし、高速処理が可能な解析システムを目指す。 3. 電界センサのインピーダンスの周波数特性を調べ、特定の周波数において負性抵抗が現われることを確認した。
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