研究概要 |
ヒューマノイドロボットが歩行中に安定したオンライン歩行計画変更を実現するためには,誤差の最大値を直接的に評価できることが望ましい.そこで本研究では,従来用いられてきた12ノルムに代わって,1∞ノルムを評価関数とする予見制御系の構成を目指して研究を行い,本年度は下記の3点について考察した. 1 1∞ノルムを評価関数とする予見制御問題 1∞ノルムは,離散時間の線形時不変自律系に対して既知の初期値からLMI最適化問題を解くことによって得られるため,これを予見制御系に適用し,1∞ノルムの計算方法を明らかにした.それをもとに,状態フィードバックによる最適1∞予見制御則の解法を与えた. 2 ロバスト1∞性能を評価関数とする予見制御問題 上記1)の手法は予見部の未来軌道や状態の情報が初期値の形として集約されるため,制御性能がその初期値に大きく依存する.そこで,初期値をポリトープ型の集合として扱うことで,その初期値集合に対する1∞ノルムの最悪値(ロバスト1∞性能)を計算する問題を定式化し,その解法を明らかにした.それをもとに,状態フィードバックによる最適ロバスト1∞予見制御則の解法を与えた. 3 ヒューマノイドロボットのオンライン歩行パターン生成への応用 上記の1および2で得られた結果をヒューマノイドロボットのオンライン歩行パターン生成へ応用し,シミュレーションにてその有効性の検証を行った.その結果,計算機で演算可能な範囲では,1,2ともに手法の有効性を確認できた.
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