研究概要 |
ヒューマノイドロボットが歩行中に安定したオンライン歩行計画変更を実現するためには, ZMP誤差の最大値を直接的に評価できることが望ましい. そこで本研究では, 最大誤差を直接評価できる1∞予見制御の研究を行い, 本年度では, 以下の3つを実現した. 1. 1∞予見制御の改良 平成19年度の結果を用いて得られる1∞ノルムの上界値には保守性が存在していたため, 真値と上界の間には若干の隔たりが存在していた. そこで, その保守性を低減する手法を開発し, 得られる上界が真値に非常に近い値となることを確認した. また, 1∞ノルムをしきい値以下で保ちつつ, 12ノルムを最小化する混合12/1∞制御も提案した. 2. ロバスト1∞予見制御の改良 1∞予見制御は予見部の未来軌道や状態の情報が初期値の形として集約されるため, 制御性能がその初期値に大きく依存する. しかし, 歩行計画を変更する際に新たな初期値となる状態を正確に得ることは難しいため, 初期値に対してロバストな1∞予見制御を提案していた. しかし, 大きな保守性が存在するために実用的ではなかったため, 上記1と同様の手法を用いることで保守性を低減化し, 実用に耐えうる設計法を提案した. 3. ヒューマノイドロボットのオンライン歩行パターン生成への応用 上記の1および2で得られた結果をヒューマノイドロボットのオンライン歩行パターン生成へ応用し, シミュレーションにてその有効性を確認した. また, 突然の歩行パターン変更においても, 制御器を切り替えることで, 歩行の継続に必要なZMP誤差内に留まることを確認した.
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