研究概要 |
本研究は,タイヤに横滑りをともなう車両に対して,操縦性および安定性を保証し,かつ低速時における加速・減速および大きな操舵を行う場合に生じる車両運動の非線形性にも対応可能な操舵系と駆動系を統合化した制御系の構築を目的としている. このうち,本年度の研究活動により,以下のような結果が得られた. 1.2次元平面内を運動する車両を制御対象として,タイヤに横滑りをともなう車両の非線形運動方程式を導出し,この運動方程式を基に制御器設計モデルを作成した. 2.制御器設計モデルから状態依存型状態方程式を作成し,この状態依存型状態方程式を用いて,状態依存型リカッチ方程式により,操舵系と駆動系を統合化した制御系の構築を行った. また,状態依存型リカッチ方程式による制御系設計の自由度を利用し,操舵角度入力が拘束を有する場合の制御系の構築についても行った.そして,構築した制御系の有効性を数値シミュレーションにより確認した. 3.構築した制御系の実証を行うための実験装置の製作を開始した. 今後は,実機実験,および実験結果に基づいて制御器設計モデルと構築した制御系の検討・修正を行う予定である.
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