研究概要 |
本研究の目標は、制御問題に対する外点法を提案し、初期実行可能解が得られずに内点法が実装できない制御問題の準最適解や実行可能解を求める方法を確立することであり、本事業は領域極配置条件付H∞制御問題を中心として、実行可能解が得られるための条件について研究を進めることが目的である。平成19年度は研究開始の年度として、 1 計算機環境の整備 2 申請者が以前に提案した領域極配置制御問題に対する外点法の問題点・改善事項の検討 を行った。1については、高性能の計算機と必要なソフトウェアを購入し、研究環境を整えた。2については、「各回の繰り返し時に解の存在性が保証できていないこと」が1つの問題点であると考え、(収束速度が少し遅くなるが)これを保証できるようにアルゴリズムを修正した。そして、複素左半平面内で全ての極を虚軸から一定距離以上離すことを目的とした単一の領域極配置制御問題に対し,修正前では解が得られなかった数値例の実行可能解が本修正後に得られるようになったことを確認した.また,本アイデアをH∞制御問題に対する外点法へ適用し,この方法が混合H2/H∞制御問題に対する内点法の初期値計算に利用できることを確認した.現在は、数値実験を行いながらこれらの制御問題について,実行可能解が得られるための条件に関する理論的な検討と,得られた成果を発表する準備を進めているところである.
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