木粉を溶媒と酸触媒を使って液化することにより、ポリオールを製造し、それにイソシアネートを混ぜることにより液化木粉樹脂を製造する。樹脂の使用用途としては木質系のポーラスコンクリートやレジンコンクリートの結合材などを想定している。液化木粉樹脂自体の研究は国内外で行われているが、土木材料としての適用例はあまり見られず、構造設計などで問題となる長さ変化に関する研究はほとんどない。本研究では、針葉樹である杉と広葉樹である白樺を使って、樹脂の製造に関する研究から始め、出来上がった樹脂の長さ変化を測定することを目的とした。その結果、杉と白樺では液化に要する時間が異なること、線膨張係数が異なること、杉由来樹脂は白樺由来樹脂に比べて、加湿状態における膨張が小さく、除湿状態における収縮が大きかったなど、原料によって性状が異なることが判明した。
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