研究概要 |
鋼I桁橋の支承周りに生じるひずみから支点反力を推定するため,平成20年度に本測定を予定している東名阪道小島高架橋において,応力聴診器を用いた予備測定を行い,車両走行時の支承周りのひずみ分布,具体的には端垂直補剛材,支承上ウェブのひずみ分布を計測した.同時に,主桁の鉛直加速度を測定し,支点反力を示す支承まわりのひずみ波形と主桁加速度の波形を比較し,振動による支承に作用する慣性力を主桁加速度を用いて除去する方法について検討を行った.また,応力聴診器を用いて他の橋梁についても支承周りのひずみ測定を行い,ひずみ波形中に観察される主桁振動による慣性力の成分の特徴等について検証を行った.これにより平成20年度の本測定において次の点について検討を要することが明らかになった. 1)支承周りのひずみ分布についてすべての主桁で予備計測を行い,各主桁に作用する支点反力をひずみから求める手法を検討すること. 2)振動による慣性力は,たわみ1次,ねじれ1次の成分を考慮するために加速度計をすべての主桁のスパン中央に配置すること. 3)0.1μ以下の感度のひずみ測定が必要であること. さらに,平成15年度に測定した車両重量・ジョイント音の騒音レベル(伸縮装置からの騒音)のデータについて再分析を行い,車種・車両重量・速度・騒音レベルの相関関係について分析した.これにより走行速度・車両総重量がそれぞれ増加すると線形的に騒音レベルが増加し,騒音が大きなケースでは,速度の超過か,積載重量の超過の双方の影響が関与していることが明らかになった.一方で,車両重量が大きな場合には,走行速度に限界があり,結果的にすべての測定サンプルのなかで騒音レベルの上限値が存在していることが明らかになった.
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