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2008 年度 実績報告書

桁衝突による桁端・橋台部の損傷低減対策と緊急車両の通行可能性評価

研究課題

研究課題/領域番号 19760317
研究機関九州大学

研究代表者

梶田 幸秀  九州大学, 工学研究院, 准教授 (10403940)

キーワード伸縮装置 / 桁間衝突 / 緊急車両 / 通行可能性
研究概要

コンクリート床版と鋼箱桁からなる上部構造に対し, 鋼製フィンガー型伸縮装置を考慮した数値解析を実施した. 数値解析の実施にあたり, 伸縮装置のモデル化の違いが, 数値解析結果, 特に, 伸縮装置の変形量や, コンクリート床版に伝達する応力などに与える影響について考察を行った. また, 伸縮装置の変形量から車両の通行できる速度を検討し, 大地震直後における緊急車両の通行可能性について言及した. 下記に得られた結果をまとめる.
(1) 鋼製フィンガー型伸縮装置は, フィンガー, リブプレート, フランジ, ウェブで構成されるが, フィンガー部だけを考慮し, 他の部材を無視すると, 鉛直方向の拘束剛性が低下するため, フィンガー部のめくり上がり量が大きくなることが明らかとなった. つまり, コンクリート床版と一体化するリブプレートなどが伸縮装置の鉛直方向変形量に大きな影響を与えるため, 伸縮装置のモデル化にはすべての部材を考慮することが必要であることがわかった.
(2) 耐震設計で用いられているレベル2地震動程度の地震を想定した場合, 上部構造の衝突速度は最大で約2.0m/sから2.5m/sとなるため, 衝突速度を1. 0m/sから2.5m/sで解析を実施した. その結果, 衝突速度が2.0m/sを越えると, 伸縮装置の根元部同士の衝突も起きるため, 伸縮装置の変形に伴う床版との段差量が100mmを越え, 最大で165mmという結果を得た. 段差量が150mmを越えると, 軽車両は通行不可能, 乗用車は時速14km以下, 大型トラックも時速32km以下の低速でしか走行できないが, 伸縮装置の変形だけによる段差だけなら, 土嚢などの応急処置で緊急車両の通行は確保できることが明らかとなった. そのため, 支承の破損による上部構造の段差などを防ぐことが車両の通行可能性の維持には重要であることがわかった.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 桁一橋台衝突のモデル化の違いが橋梁全体系の地震応答解析結果に与える影響の検討2009

    • 著者名/発表者名
      吉田佳太郎, 梶田幸秀, 大塚久哲, 玉井宏樹
    • 雑誌名

      第12回地震時保有耐力法に基づく橋梁等構造の耐震設計に関するシンポジウム講演論文集

      ページ: 1-6

  • [雑誌論文] 鋼箱桁とコンクリート床版を有する上部構造の桁間衝突解析2008

    • 著者名/発表者名
      梶田幸秀, 宮定龍司, 大塚久哲
    • 雑誌名

      中日土木工学耐震工学研究討論会論文集

      ページ: 89-94

  • [雑誌論文] Numerical Analysis on Pounding Superstructures with Shock Absorber2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Kajita, R. Miyasada and H. Otsuka
    • 雑誌名

      Proc. of the 14th World Conference on Earthquak e Engineering (CD-ROM)

      ページ: S17-02.003

  • [雑誌論文] 伸縮装置を考慮した桁間衝突解析による桁端部の損傷状況の推定2008

    • 著者名/発表者名
      宮定龍司, 梶田幸秀, 大塚久哲, 北原武嗣
    • 雑誌名

      第9回構造物の衝撃問題に関するシンポジウム論文集

      ページ: 129-134

  • [雑誌論文] 大地震時に起こる橋桁と橋台の衝突現象に関する一考察2008

    • 著者名/発表者名
      玉井宏樹, 森田将旗, 坂田力, 梶田幸秀, 吉田佳太郎
    • 雑誌名

      第9回構造物の衝撃問題に関するシンポジウム論文集

      ページ: 135-138

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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