研究課題
盛土礫材を粒度調整して締め固めた試料を用いた。ベディングエラーの影響を受けない加速度計を用いた動的計測と、局所変位計(LDT)を用いた静的計測により、礫試料の微小変形特性に及ぼす要因について総合的に検討した。実験では、供試体を異方圧密させる過程において、微小変形特性(静的鉛直ヤング率、動的せん断剛性率)を計測した。結果より、締め固め度が増加すると微小変形特性の値も増加する傾向が確認されたが、ある程度まで(本研究では4.5Ec締め固め基準のDcが95%以上)締め固め度が増加すると、微小変形特性の増分は低下する傾向が確認された。また、締め固め時の含水比が低い方が微小変形特性は低下する傾向が確認された。比較的高い締め固め度を低い含水比で実現するためには大きなエネルギーが必要であり、粒子破砕が生じた可能性が考えられる。また、静的ヤング率から推定される静的せん断剛性率と動的せん断剛性率とを比較すると、動的せん断剛性率の方が高い値が得られた。この傾向は前年度の不撹乱試料による実験でも確認され、動的計測では相対的に硬い部分を通過したS波速度を反映していることが原因であると考えられる。更に、本研究では、礫混じり砂質土の凍結採取試料およびその再構成試料を用いた小型三軸試験機による液状化試験を実施した。液状化試験中に動的せん断剛性率を計測したが、液状化による洪積試料と沖積試料の年代効果の喪失を動的せん断剛性率の変化により表現できることを示した。
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Soils and Foundations 49(2)(印刷中)
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