研究概要 |
国土の80%が山間部である我が国では,道路盛土に補強土工法を適用する際,切り盛りで施工することが多く,自然斜面側の難透水性により必然的に補強土壁の裏込め部は集水する傾向にある。土構造物の飽和度が上昇した場合,自重の増加,サクションの低下,間隙水圧の上昇による有効応力の低下などによって,安定性は格段に低下する。さらに補強土壁の場合,安定性を保つために必要とされる補強材と土との摩擦力も飽和度の増加により低下する恐れがあり,非常に危険な状態となることが予想される。 平成19年度は,試料として稲城砂を,模型補強材には網戸を用いて含水比27%で引抜き試験を行い,20年度に行う遠心模型実験の予備検討を行った。また実物換算で壁高7.5mとなる模型を作成し,遠心振動台実験を行った。また画像解析ソフト等を購入し,振動台実験結果の変形性状を精度良く計測できるシステムを構築した。
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