研究概要 |
国土の80%が山間部である我が国では, 道路盛土に補強土工法を適用する際, 切り盛りで施工することが多く, 自然斜面側の難透水性により必然的に補強土壁の裏込め部は集水する傾向にある. 土構造物の飽和度が上昇した場合, 自重の増加, サクションの低下, 間隙水圧の上昇による有効応力の低下などによって, 安定性は格段に低下する, さらに補強土壁の場合, 安定性を保つために必要とされる補強材と土との摩擦力も飽和度の増加により低下する恐れがあり, 非常に危険な状態となることが予想される. 平成20年度は, 試料として稲城砂を用いた遠心振動台実験を行い, 不飽和補強土壁の変形挙動を詳細に観察した。特に, 補強材長さ, 敷設間隔に着目した。その結果, 動中補強領域が一体となって変形が生じ、滑動・せん断変形によって盛土の水平変位が決まることが分かった。また敷設長さを長くすることにより滑動およびせん断変形を抑制すること、敷設長さの短い場合、敷設間隔を密にすることにより部分的なせん断変形を抑制することなどの知見が得られた。
|