研究課題
地震、斜面崩壊、トンネル崩落などの深刻な災害の多くは、断層面や節理面など地質学的不連続面の力学的不安定現象により引き起こされると考えられているが、不連続面の力学的性質そのものについては未だ不明な点が多い。本研究では、不連続面が比較的安定な準静的すべりの段階から動的状態へと遷移する過程について考察を進めている。平成20年度は、地盤の力学と物理に関する本質的な理解を研究目標とし、地震や斜面の突発的な崩壊、不連続面の挙動の時間的、空間的複雑性に関する解析を主な目的として三次元理論、数値解析が行われた。その結果、不連続面内外の異方性の影響、破壊靭性やアスペリティが不均-に分布する材料における破壊進展メカニズム、理論や数値解析で予想される不連続面の挙動と実際の断層や節理及び断層域周辺の動きとの類似、相違点が明らかとなった。研究経過は、第22回理論・応用力学に関する国際会議(アデレード)、第7回アジア国際地震学連合総会(つくば)及び第12回岩の力学国内シンポジウム(宇部)等で発表されており、その成果に対し、平成20年10月に「IACMAG(Intemational Association for Computer Methods and Advances in Geomechanics : 地盤力学における計算手法とその進歩に関する国際協会)」から「Excellent Contribution Award(優秀貢献賞)」が授与されている。
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