研究課題
地震、斜面の崩壊やトンネルの崩落などの自然、人的災害の多くは、断層面や節理面などに代表される地質学的不連続面の力学的不安定現象により引き起こされ、深刻な影響を周囲にもたらすと考えられているが、不連続面の力学的性質そのものについては未だ科学的に解明すべき点が多い。本研究では、上述のような不連続面が、比較的安定で準静的な破壊発達段階から不安定となり、動的状態へと遷移し、衝撃的な波動を放射する物理過程について力学的な考察を進めている。平成21年度には、特に、波動の伝播が周囲の環境、地盤や構造物に与える影響に関する定量的な理論、数値解析が行われた。例として、1978年宮城県沖地震の際に仙台市の住宅地で見られた斜面の動的被害などが取り上げられた。考察の結果、そのような被害は、地震波の普遍的な性質に加え、日本の東北地域における地震学(テクトニクス)的な特徴も重なったために誘起された可能性があることが指摘されている。研究成果は、第2回構造動力学と地震工学における計算手法に関する国際会議(ロードス)、日本地球惑星科学連合2009年大会(千葉)および日本地震学会秋季大会(京都)などで発表されているほか、American Society of Civil Engineers(ASCE)の発行する雑誌「International Journal of Geomechanics(IJOG)」に単著の研究論文が掲載されることが決定している。
すべて 2010 2009
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International Journal of Geomechanics (登載決定)
Proceedings of the ECCOMAS Thematic Conference on Computational Methods in Structural Dynamics and Earthquake Engineering
ページ: 8
Proceedings of the 9th International Symposium on Rock Fragmentation by Blasting
ページ: 407-414