研究概要 |
ラボスケールの模擬実験水路の作成を行った.水路はアクリル製の循環式水路であり,循環水の安定供給のための貯水槽に,非接液型電磁式流量センサを通して塩化ビニル管で作成した2本のサイフォンを渡し,マグネットポンプで水路に返送するシステムになっている.水路系は長さ約2m,幅10cm,高さ20cmのスケールを設定し作成した.また水路内の水温を一定に制御するため,この循環式水路システムの外側に恒温水槽を設置する.これらの水路システムの作成の後,河川構造物モデルとして,粗骨材,細骨材等のいくつかのコンクリート担体を設置し,所定の条件で通水した後,流れの様子を高精度カメラで撮影・観察した.また,可視化画像の撮影にあたっては高精度CMOSカメラとフレームグラバー(画像処理ボード)および撮影・解析用コンピュータに増設することで,コンクリート表面の流れを精度良く捉えることに成功した.また,これらの可視化画像システムの設置と並行して解析コードの開発を行った.解析コードの開発にあたっては,河川構造物の代表例である水制や円柱橋脚を使って検証を行った.これらの成果について国際水理学会,可視化情報学会に掲載・発表を行った.また,コンクリート担体表面における流れの可視化を行い,今後展開する生物膜形成への影響評価を行うための手法について検証を行った.この成果についても,土木学会全国大会等で掲載・発表する予定である.
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