研究概要 |
昨年度開発した流れの可視化実験法および可視化画像の解析手法を用いて, 生物膜形成場としてのポーラスコンクリート表面にける流れの可視化を行った. 初年度に作成したラボスケールの循環式直線水路に粒度を変えたポーラスコンクリートを設置し, 生物膜形成場としてのポーラスコンクリート表面における粒度の違いによる乱流構造の違いを明らかにした. 使用したコンクリートは, 粗骨材, 細骨材, セメント等のいくつかのコンクリート担体を選び, この水路に設置した. これらの流れの可視化実験に関する結果は仙台東北大学で開催された土木学会全国大会にて発表を行っている. その他, 初年度で得られた可視化手法に関する成果研究発表を中国の南京工科大学にて行った. また, 実際に形成した生物膜の表面における可視化実験を行い, 生物膜が剥離される条件を, 上述で行った流れの可視化実験から得られた流れの情報をもとに判別を行った. この実験では水路内に人工下水を流入・循環させ, 人工ゼオライト混入率を変化させることによって生物膜を形成させ, 剥離状況等の状態を水質分析を行うことで明らかにし, 流れ(特に流量, せん断応力)との関係を明らかにした. さらに, これらの実験と並行してコンクリート以外の材質(例えば石材)での比較検討を行うことを想定して, 石かごなどの最近注目されつつある柔軟性のある材料を作った河川構造物についての流れの可視化について実験を行っている. 河川構造物などの形状も合わせて考えおり, これについても次年度の国際水理学会等に掲載・発表する予定である.
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