研究概要 |
実際の現場に適用できるものとして河川構造物の代表例として水制を取り上げ,水制構造物の素材として石かごなどをポーラス状の素材として適用し,このような水制周辺の流れや周辺環境への影響について考えた.また,これまでの様々な流れの可視化実験で開発してきたFFT相互相関法と直接相互相関法を併用する広域平面場を精度良く計測できる手法を適用することを考えた.また,実際にあるこれらの河川構造物は様々な形状からなる複雑な構造であることが,これまでの調査によって明らかになった.そのため,これらに着目した実験を行うことを目的とし,現存する様々な水制形状の表面やその周辺近傍に発生する組織的流れや乱流統計量ならびに水制背後に発生するせん断応力を評価することを行い,流れと周辺環境への影響の評価を行った.これらの成果を,バンクーバーで行われた国際水理学会などの関連学会において成果報告を行うとともに,最近の研究の動向を知ることができた.また,これまでポーラスコンクリート表面で可視化実験での結果と照らし合わすことでどの程度の生物膜形成が水制周辺にできるか検討を行うことを目的として行った.これらの成果についても今後河川工学に関する関連学会に投稿し発表する予定である.また,これらの成果を踏まえ,実在する河川構造物には様々な形状があり,これらの表面にどの様に生物膜が形成されるか,また形成されやすいところはどの様な場所が最適なのか,最適なデザインはどの様なものが必要であるかという点に関して,今後の研究の展望を得ることができたと実感した.
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