携帯電話の急速な普及および機能の向上に伴い、携帯事業において様々なサービスが提供されるようになってきた。またGPS携帯電話を用い利用者の測位データが取得可能になったことにより、従来の現位置周辺の関連するコンテンツを提供するものだけでなく、測位データを加工し交通モードを判定することで、大規模プローブパーソン調査や、歩行者ナビ、カーナビ、乗換案内といったコンテンツを携帯端末が自動選択し、交通モードに応じたコンテンツを自動的に選択し提示するなど、現在より一歩進んだ移動支援サービスが実現可能になる可能性が出てきた。本研究では未だに確立されていない交通モードに関する推定手法およびその交通行動調査への適応手法の確立、交通マーケティングへの展開の可能性検討を目的としている。 今年度は前年度に引き続き、既存のGPS測位データを解析し交通モード推定手法のデータ特性検証として、速度と角速度の関係などを定量化した。その結果、データ取得間隔1秒と5秒による速度来角速度の分布などを把握し、最適パラメータの設定など、今後の交通行動推定手法確立のための検討資料とした。 また、高知県南国市から高知市を移動する四国遍路を対象に携帯端末を配布し、そのGPS測位ログデータ収集する調査を行った。この調査データから、遍路の交通手段や停止箇所、滞在時間などの交通行動に関して推定を行った。
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