研究概要 |
平成20年度における研究実績は以下の2点にまとめられる. 1.先行調査(福岡市内都市高速道路沿線住民に対するアンケート調査)に対する各種分析と結果の考察 昨年度までに行っている上記先行調査(有効回答数305)の結果に対し,単純・クロコス集計等の統計分析,ならびに自由記述回答のデータ整理を行った.さらにこれらの結果を踏まえ,都市内道路整備に対する環境アセス結果の戦略的活用とその課題について考察を行った.ここでは(1)アセス情報周知における不動産業者の役割,(2)SEA結果の都市計画への反映,(3)SEAにおけるティアリング概念の活用可能性等について検討を行った. 2.「Design for Ecological Democracy」の翻訳作業ならびに内容検討 本研究に対し示唆的と考えられる文献として,カリフォルニア大学バークレー校環境デザイン学部教授Randolph T. Hester氏の著書「Design for Ecological Democracy (The MIT Press.2006)」を選出し,その翻訳作業に当たった.本書はアメリカの都市居住を巡る状況を主な課題とし,デザインを通じたエコロジカル・デモクラシーの実現について述べたものである.ここではデザインの柱として「可能にする形態」,「回復できる形態」,「推進する形態」とする3つの原則が示され,それぞれ事例による解説がなされている.これら本書の内容に対する検討に加え,著者であるHester氏との情報交流を図った.
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