研究概要 |
これまで,視覚障害者のためのシステム開発等において,厳密に評価者となる視覚障害者をスクリーニングしている例はほとんどなく,協力が得られる視覚障害者に意見聴取や評価実験に参加してもらっているというのが現状である。 そこで本研究は,視覚障害者用歩行支援システムの開発時あるいは評価等において,被験者となる視覚障害者のスクリーニング方法,評価等に参加協力が得られた視覚障害者の特性を把握する方法を開発することを目的としている。 その方法として,(1)視覚障害者の歩行特性を把握するための問診票作成,(2)やや簡易的な方法により視力,視野,色覚,コントラスト感度を計測した場合の有効性の検証を実施する。 この問診票はVA LV VFQ-48の形式を基本とし,視機能+歩行能力を判定するような問診票を作成する予定であったが,VFQ-48は特許の関係上,わが国での使用は不可能であったため,VFQ-25を用いることにし,ロービジョン者の歩行および視機能について検査を行った。本年度得られた成果を以下に示す。 アンケート調査より (1)歩行時に必要な視機能としては,視野とコントラスト感度が重要な視機能であることがわかった。特に対象物を発見する時に必要な視機能が視野とコントラスト感度であると考えられる。 (2)ロービジョン者の歩行時の問題点は特に夜間に困難なことが多くなり,夜間のバリアフリー点検等が必要である。 医学的検査より ロービジョン者30名に医学検査を実施した。検査結果としては,医師による病名診断,視力,視野,色覚,眼底,眼圧検査を実施した。
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