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2007 年度 実績報告書

界面活性剤の流入・吸着ダイナミクスと生物学的リン除去に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 19760369
研究機関山梨大学

研究代表者

藤田 昌史  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (60362084)

キーワード生物学的リン除去 / 界面活性剤 / 酢酸摂取効率 / ポリリン酸蓄積細菌群 / グリコーゲン蓄積細菌群 / 有機物競合
研究概要

LASの汚泥表面への吸着ダイナミクスを明らかにするための検討として,まず,晴天日における生活廃水中のLASの動態を調べた。具体的には,合流式下水道上流部において下水を24時間にわたり採水し,LAS濃度を追跡した。早朝から正午にかけて,溶存態LASの濃度や負荷は9時をピークに著しく増減した。そこで,総LASの組成に基づいてMDS解析を行ったところ,ピーク時付近では,洗濯廃水が日内で最も集中したと判断された。一方,12時から0時にかけて,総LAS組成の遷移が確認されたことや,より高頻度に観測した溶存態LASの濃度や負荷に違いが見られたことから,LASの流下量や組成は,変動していたと言える。これらの検討では,従来から分析例の多い溶存態に加えて,SSに吸着していたLASも分析したが,後者の存在量の方が多いうえに,組成も明らかに異なっていた。したがって,LASの動態を理解するためには,総量に着目する必要があることが見出された。また,総量に着目することで,一人一日あたりLAS排出量は1.2g・p.e^<-1>・day^<-1>と見積もられ,例えば,CSOにともなうリスク評価の観点でも,貴重な知見が得られた。
一方,実験室での検討では,界面活性剤がPAOsやGAOsに及ぼす影響を調べるために,まず,酢酸基質を用いてそれぞれの集積を試みた。特に前者では,その過程において,生物学的リン除去の不安定化要因として,これまで見出されていない知見を得ることができた。それは,GAOsの酢酸摂取活性を特異的に促進する酢酸濃度が存在し,それはPAOsとGAOsの存在量に応じて変化する可能性があることである。現場では,これにLASなどの界面活性剤の汚泥表面への吸着が影響するはずであることから,次年度はこれを総合的に解析する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 晴天日に住宅地域から排出された生活廃水中のLASの動態2007

    • 著者名/発表者名
      辻幸志, 藤田昌史, 金元載, 真名垣聡, 中島典之, 古米弘明
    • 雑誌名

      水環境学会誌 30(10)

      ページ: 579-583

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Acetate uptake efficiency of polyphosphate-accumulating organisms under exposure of surfactants2007

    • 著者名/発表者名
      Tsuji, K., Fujita, M.andFurumai, H.
    • 雑誌名

      IWA-ASPIRE Regional Conference and Exhibition 186 in USB Memory stick

    • 査読あり
  • [学会発表] 酢酸基質を用いた嫌気好気SBR運転におけるpHとリン放出速度,酢酸摂取速度との関係2008

    • 著者名/発表者名
      山田馨, 辻幸志, 藤田昌史
    • 学会等名
      第35回土木学会関東支部技術研究発表会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20080300
  • [学会発表] 酢酸を基質とした嫌気好気運転におけるポリリン酸蓄積細菌群とグリコーゲン蓄積細菌群の競合過程2008

    • 著者名/発表者名
      辻幸志, 山田馨, 藤田昌史, 赤司昭, 古米弘明
    • 学会等名
      第42回日本水環境学会年会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20080300

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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