研究概要 |
国内では,コンクリートおよびコンクリート構造物における環境配慮を促進するために,コンクリート材料の開発とコンクリートの運用システムの改善を推進し,環境負荷低減効果を具体的に示すことが求められている。 本研究では,コンクリート構造物における炭酸ガス固定化効果の基礎的検討として,各種セメントを用いたコンクリート材料における炭酸化現象を実験的に捉え,環境負荷低減に資する技術的仕組みを示すとともに,骨材の需給バランスが不安定になり,局所的に同一種類の骨材を使用せざるを得ない状況も生じることを踏まえ,その状況に対応するコンクリートをファミリー型のコンクリートとし,その基礎的物性についても同様に評価を行う。そして,最後に,コンクリート材料の運用システムで環境負荷を生じやすい輸送段階に着眼し,材料供給地と消費地までの輸送距離と,輸送量ならびに二酸化炭素排出量による環境負荷評価を輸送手段の区別を踏まえて行い,環境負荷低減に資するシステム運用上の課題について整理をおこなう。
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