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2008 年度 実績報告書

地域環境性能向上のための気候資源・既存インフラの有効活用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19760405
研究機関大阪市立大学

研究代表者

鍋島 美奈子  大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (90315979)

キーワードNDVI / 移動観測 / 緑被率 / GIS / 気温分布 / データベース / グロス建ぺい率 / 風通し
研究概要

大阪市西区堀江周辺をフィールドとして、自動車による移動観測と定点観測をおこない、市街地の気温分布を把握し、地域に適した熱環境改善の方策を提示するための基礎的な分析をおこなう。前年度までに構築したGISデータベースを用いて、H20年度は、気温分布の形成要因について、緑被率のほかに、河川からの距離や交通排熱、放射環境などを説明変数として気温の重回帰分析をおこなった。説明変数の選択はAICによる。
幹線道路上の気温は、どの時間帯も交通排熱の影響が無視できない。特に、日没後の8/2(20時)では交通排熱の影響が大きい。日中は路面温度や赤外放射量、街路幅員の影響が大きいことがわかった。日射の影響による路面温度、壁面温度の上昇が気温上昇につながっていると考えられる。また、街路幅員Dは回帰係数が正の値で選択されている。街路幅員が広いと風通しは良くなるが、日射を受ける面積が増大することの影響が大きいと考えられる。緑被率は海風日の8/2(15時)は負の回帰係数で選択されているが、逆に8/3(4時)は正の回帰係数となっており、さらなる精査が必要である。
細街路の気温は幹線道路と異なり、交通排熱は説明変数として選択されていない。海風日の8/2は深夜まで西風であったことから、8/2(20時)、8/3(4時)においては木津川からの距離の影響が大きく、日没後は川に近い方が気温が低くなっている。8/3(4時)では高さ方向平均グロス建蔽率の影響も大きい。高さ方向平均グロス建蔽率は風通しの指標として用いられているが、放射冷却の指標にもなっていることが推察される。8/2、8/5(15時)において赤外放射量が選択されたが、路面温度は選択されていない。細街路では日中、日射の影響による路面温度の上昇より壁面温度の上昇の方が気温に与える影響が大きいと考えられる。
以上より、GISデータベースによる地域の気候資源や既存インフラの検索、それらを活用した夏季熱環境の予測や改善策の提案が可能となった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 大阪平野における夏季気温の水平分布構造2008

    • 著者名/発表者名
      鍋島美奈子, 西岡真稔, 中尾正喜
    • 雑誌名

      空気調和・衛生工学会論文集 140

      ページ: 1-10

    • 査読あり
  • [学会発表] Characteristics of the green coverage in the central urban area of Osaka City2008

    • 著者名/発表者名
      Minako Nabeshima, Masatoshi Nishioka, Masaki Nakao
    • 学会等名
      5th Japanese-German Meeting on Urban Climatology
    • 発表場所
      Freiburg, Germany
    • 年月日
      2008-10-07
  • [学会発表] 地域環境性能向上のための気候資源・既存インフラの有効活用に関する研究その1オープンスペース・緑の連続性評価2008

    • 著者名/発表者名
      十倉裕典, 鍋島美奈子, 西岡真稔, 中尾正喜
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2008-09-20
  • [学会発表] 地域環境性能向上のための気候資源・既存インフラの有効活用に関する研究その2連続性評価指標「平均連結度数」の算出方法2008

    • 著者名/発表者名
      鍋島美奈子, 十倉裕典, 西岡真稔, 中尾正喜
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2008-09-20
  • [学会発表] GPSを用いた気温の移動観測その6堀江地区の気温水平分布の夏季調査2008

    • 著者名/発表者名
      水野雅士, 鍋島美奈子, 中尾正喜, 西岡真稔
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2008-09-18
  • [学会発表] 海風の進入と都市気温に関する研究 : 堀江地区の気温水平分布の調査2008

    • 著者名/発表者名
      水野雅士, 鍋島美奈子, 中尾正喜, 西岡真稔, 中島隼人
    • 学会等名
      日本建築学会近畿支部研究報告会
    • 発表場所
      大阪工業技術専門学校
    • 年月日
      2008-05-23
  • [学会発表] 環境性能向上のためのオープンスペースと緑被の連続性評価2008

    • 著者名/発表者名
      十倉裕典, 鍋島美奈子, 西岡真稔, 中尾正喜, 水谷俊介
    • 学会等名
      日本建築学会近畿支部研究報告会
    • 発表場所
      大阪工業技術専門学校
    • 年月日
      2008-05-23

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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