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2008 年度 実績報告書

中空二重構造壁の低い周波数領域における遮音性能向上手法

研究課題

研究課題/領域番号 19760410
研究機関(財)小林理学研究所

研究代表者

杉江 聡  財団法人小林理学研究所, 建築音響研究室, 研究員 (00280644)

キーワード音響透過損失 / 吸音 / 二重壁 / ヘルムホルツレゾネータ / 共鳴透過
研究概要

建物の界壁などに用いられる中空二重壁は、中高音域では非常に高い遮音性能を示す一方で、低い周波数領域での遮音性能は、共鳴透過現象(共鳴透過周波数:f_<md>)により極めて低い。本研では、ヘルムホルツレゾネータを用いて、f_<md>を含む低い周波数領域における遮音性能の向上手法を提案する。
前年度は、レゾネータの共鳴周波数f_0では、大きく遮音性能が増加するが、f_0の両側の周波数では遮音性能は低下し、その遮音性能の変化は、レゾネータの吸音特性や設置位置に関係していることを実験的および理論的に示した。したがって、本構造を実用化するには、レゾネータによって遮音性能が低下する周波数領域の改善方法や具体的な設置方法を検討する必要がある。
本年度は、低下周波数領域の改善方法の検討では、グラスウールなどの繊維系吸音材料との併用が有効であることを示した。また、設置方法の検討では、試験体を大きさ約3m^2とし、スタッド・ランナーを用いた実際に近い構造とした。このような工夫をすることによって、遮音性能を測定する際の一般的な大きさ(10m^2)の試験体に比べ、二重壁内の内部構造を短時間で変更でき、多くの条件を対象にできるとともに、実際の壁構造を模擬することができる。
この試験体を用いて、レゾネータの構成材料(面密度)の違い、設置方法の違いによって、二重壁の遮音性能がどのように変化するかを検討し、以下のような結果を得た。(1)前年の理論的および小試験体を用いた実験的検討結果に比べ、レゾネータによる遮音性能低下があまり大きくない。(2)遮音性能はレゾネータの構成材料にも大きく依存しない。(3)面材にレゾネータを直接固定した場合であっても、固定方法によっては、レゾネータの効果を低減することなく設置することができる。これらの知見は、実用化の可能性を大きく広げるものと考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Inprovement of sound insulation of lightweight double leaf partitions at low frequencies using Helmholtz resonators2008

    • 著者名/発表者名
      Satoshi SUGIE
    • 学会等名
      Inter-noise 2008
    • 発表場所
      中国(上海)
    • 年月日
      20081026-29

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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