研究概要 |
本研究は、建物の区分所有制度と対照的な集合住宅の所有形態である北アメリカ大陸のハウジングコウオペラティヴに着目し、その権利構成に由来する運営形態の特性を複数の特徴的事例から描き出そうとするものである。 初年度である平成19年度には、(1)1930年代、ワシントンDCの郊外に開発された田園都市グリーンベルト(Greenbelt,Maryland)、(2)1960年代、モントリオール万博のテーマ館として建設された実験的集合住宅ハビタ'67(Habitat'67,Montreal)の2つのハウジングコウオペラティヴの現地調査を実施し、それぞれに見られる空間マネジメントの実態を探った。 なかでも、第二次世界大戦後に公的集合住宅からハウジングコウオペラティヴへの所有形態の転換を経験した(1)のグリーンベルトについては、払い下げ後の自治的マネジメント体制の確立プロセスを、過去のコミュニティ誌の記述から追跡した。 二戸一化を含む大規模な住戸改造が展開される(2)のハビタ67については、これによる経年の空間変容の実態を把握した。
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