東南アジア諸国の地方中小都市圏の開発計画において、それぞれが特性を活かし、その時々の世界経済状況のもとでの競争条件の変化に迅速に対応しつつ、最もふさわしい発展の道を模索することが期待されているが、地方政府は十分な経験を持っておらず、試行錯誤の段階にあり、こうした課題に対応する国際援助も緒についたばかりである。本研究の目的は、異なる分権化・参加型開発の経験を有するインドネシア・フィリピン・タイの地方中小影圏を対象とした事例研究を通して、 (1)地方中都市圏の地方分権型・参加型開発計画をどのように策定すべきかを明らかにし、 (2)そのような開発計画策定に対応した日本の開発援助はどのようなものかを考察することにあり、申請者が長期的に実施しようとしている東南アジア諸国の地方中小都市圏における開発計画策定のあり方と開発援助に関する研究の礎とするものである。 なかでもインドネシアでは1999年地方分権化2法より急速な地方分権化を進めており、また、一方でジャカルタをはじめとする大都市圏だけでなく全ての都市において、急速に都市化が進行しており、地方分権型の都市計画が求められているところである。このような状況のもと、新しい空間計画法が策定され、このような都市計画を実現する制度的基盤が整えられた。平成20年度の研究では、インドネシア調査を重点的に行い、新たな都市計画のあり方を議論した。
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