本研究は地域の福祉ニーズの実態とそれに応じた再利用(コンバージョン)ニーズを把握し、一方で地域施設の余剰の状況をシミュレートし、それらを照らし合わせることにより、地域施設を高齢者福祉拠点へと転換・コンバージョンする可能性について、地域特性を勘案しながら提示することを目的としている。 本年は昨年につづき、地域において介護保険外にてどのような通所サービス/活動が展開されているか。小規模自治体や民間の独自の活動を分析し福祉ニーズの実態を把握すべく、昨年のアンケート調査などを分析し報告した。 また、他用途施設から高齢者福祉拠点に転用改修する事例について実態を把握し、従前用途によって、改修の際にバリアフリー要件への配慮の点で、どの程度対応が可能であったかを工事レベルと性能レベルという評価軸を開発し、分析を行った。 加えて、将来推計人口に基づき、今後地域内において不使用となるであろう余剰建物種別/量をGISを用いたシミュレーションにより算出することを開始している. 次年度も、これらのシミュレーションを継続して行い、高齢者福祉拠点への転換の可能性を分析する予定である。
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