研究概要 |
本年度の実施事項は,(1)市街地及び緑地データの整備,(2)緑地の定量的分析,(3)緑地環境情報データベースのための追加作業,(4)緑地の視覚的効果の基礎的分析である。 まず,(1)についてはLandsat TMデータから市街地,緑地などの土地被覆分類図,NDVIを作成した。 次に(2)において,市街地区に存在する緑地などの植生活性度を指標化するために「市街地内植生活性度指標=UC-NDVI」を導出した。これにより,今まで単一の属性でしか評価ができなかった集塊度の評価を拡張することに成功した。つまり,市街地の密度や集塊度を評価し,さらにその内部に存在する植生の状況をも考慮できるということである。 (3)においては,すでに構築している「緑地環境情報データベース」の拡張を行うべく,今回は,写真画像データベース(約2,800枚)の追加作業と現地調査を実施した。本年度は,特に市街地内を中心に通常の写真撮影にあわせて,360°のパノラマ画像(0-360使用)を撮影し,QuickTime VRによる動画像を作成した。これもGIS上でデータベース化している。これは,画像であるが周囲の状況を一つのコンテンツで把握できるものである。 そして,(4)においては(3)で作成したQuickTime VRを用いて,心理評価実験を実施し,市街地内における緑地の心理的評価構造を明らかにした。さらに,パノラマ画像から緑視率を計測し,市街地内における緑視率の推定図をカーネル密度推定法により作成した。これにより,市街地内の遠くに感じる緑や近くに感じる緑の地点や状況を明らかにした。
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