「食」はお年寄りの最大の楽しみであり、厨房やキッチンの計画は、生活の質、介護や見守りにも影響する重要な要素である。今年度は、大阪市・大阪府の介護職員を対象としたアンケート調査を実施し、合計159箇所の施設種別から回答を得た。その結果、1)利用者の「買い物」への参加については、「委託せず」よりも「厨房運営委託」「給食委託」になると「買い物」への参加頻度が少なくなること。2)調理職員が利用者の食事場面や食事介護の様子を確認する頻度についても、「ほとんど見に来ない」「月1回程度」は、「厨房運営委託」「給食委託」が多くを占め、介護現場と連携できていない実態が把握される。3)「メニューの決定」、「ごはん」「みそ汁」「おかず」「盛り付け」といった行為についても、「利用者が参加する」と回答した多くが「委託せず」であった。4)「きざみ食」を用意する場所についても、利用者のその日の様子を確認しながらきざみ具合を調整できる現場キッチンでの実施は、「委託せず」が多く、「厨房運営委託」「給食委託」では、顔をみずに実施している割合が多いことが確認された。5)職員が利用者と同じ食卓を囲むと答えた事業所は、「委託せず」が「厨房運営委託」「給食委託」を上回るなど、生活やケアの質にも影響することが把握された。
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