研究概要 |
少子高齢化にともなう18歳人口の減少に伴い大学の受験人口も年々減少している。これにより、大学進学希望者と入学定員が均衡する「全入時代」が目前まで迫っている。このような背景から、各大学では、「教育プログラム」、および「施設環境の充実」による大学総合評価の向上を図ることが、学生を確保するうえで重要課題であると捉えられている。本研究では大学における総合評価の向上を図る上で必要となる検討事項のなかでも、在学生の視点による施設環境の充実に焦点をあて、「大学施設におけるFM概念に基づいた施設環境評価手法」の提案を行い、その適用可能性について検討することを目的としている。 本年度は、昨年、中国地方で3大学、近畿地方の1大学、関東圏の1大学にて実施した、大学キャンパスの施設環境評価に関する調査結果の分析から、大学キャンパスにおいて、問題視されている項日を重要度・満足度による分析から明らかにした上で、それらの問題項目それぞれに対して実施したヒアリング調査から、各問題項目において両評価に作用する根本的要因を明らかにし、さらに各要因に対する施設特性、および評価者の属性からそれぞれの評価傾向を明らかにしている。 また研究過程において、(大学キャンパスにおける屋内休息空間に対する評価に関する研究,環境の管理,67(審査付))、(屋外休息空間の環境評価における評価項目の検討,日本建築学会計画系論文集,633(審査付))、(大学キャンパスにおける屋外移動経路の環境評価手法に関する研究,637(審査付))、(A STUDY ON THE ACTUAL CONDITION OF LABOR-MAN HOURS FOR CLEANING WORK IN GOVERNMENT BUILDINGS, PAQS(口頭))等を発表している。
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