(1) ヴェルサイユ城館および付属庭園の天井画や庭園彫刻などの寓意物が意味するところを定めた当時の王権のイデオロギーとは何であったかを明らかにしながら、それら寓意物の配置計画が、庭園計画、さらには庭園と城館の間の関係構築を核とした広い意味での建築創造に対して与えた影響を探っていくとともに、同時代のイタリア・バロックがこの創造活動にどのように関わっていたのかを明らかにする。 (2) 16世紀のフランス・ルネサンス建築のなかから、ロワール側流域の城館建築、イタリア人の手になる城館建築、フランス人建築家第1世代が設計した城館建築を取り上げ、それぞれの段階において、イタリア・ルネサンス建築、および、イタリア・マニエリスム建築との関係を明らかにする。
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