研究概要 |
(1)金属粒子相, 誘電体相の構造パラメータ抽出 平成19年度の結果をもとに、材料の複素誘電率から電波の減衰に及ぼす構造パラメータの比較検討を行い、粒子相直径および粒子相体積率と誘電損失の関係を求めた (2)電波透過に関する材料設計指針の提案 (1)の結果から、導電機構と電波透過現象の関係を整理した。その結果、導電機構および 電波透過現象ともに、導電性粒子相間のパーコレーション効果が大きく影響を及ぼすことを明らかにした。また、導電性粒子相の直径に関して、マイクロメーターオーダーの粒子径に比べてナノメーターオーダーの粒子径のほうが同じ体積率でも誘電率の実部および虚数部が共に低いことを見出した。 (3)電波を透過するバルク金属材料の作製 (2)で得られた指針をもとに、金属粒子相/誘電体相構造を持つ材料の作製を行った。その結果、金属相の体積率が20%以上の材料(試料厚さ1mm以上)において、電波透過性を持つ誘電体と同等の電波透過率である透過率80%を実現することができた。
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