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2009 年度 実績報告書

セルロース-ヨウ素複合化による高次構造制御した炭素体の調製

研究課題

研究課題/領域番号 19760464
研究機関山梨大学

研究代表者

宮嶋 尚哉  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (20345698)

キーワードセルロース / ヨウ素 / 炭素化
研究概要

本研究は,ヨウ素が有機物の高分子化を促進させる効果に着目し,セルロースをはじめとするグルコース誘導体の炭素化にヨウ素処理を適用することによって,バイオマス資源からの新たな機能性炭素材料を創製することを目的とした。本年度は,これまでにデンプンのヨウ素不融化によって,2次的な賦活処理をすることなくミクロ多孔性炭素体が誘導できたことから,その細孔形成機構を分子構造が既知な種々の出発原料を用いて詳細に検討した。また,微生物由来のセルロース(ナタデココ)を用いて,炭素ファイバーの作製を試みた。
細孔形成機構の解明からは,細孔発達はヨウ素不融化処理時(~120℃)ではなく,400-600℃の温度域で生じることが判明した。細孔発達を示したグルコース誘導体では,ヨウ素処理時にI_3^-及びI_5^-の結合状態でヨウ素が取り込まれており,ある種の錯体を形成していることが示唆された。さらにいずれも平均細孔径が0.70nm,ミクロ孔表面積が700m^2/g程度の活性炭に一様に転換されたことから,炭素過程における錯体の熱分解機構は原料に依存せず類似していることが推測された。これに対して,分子骨格にN原子が含まれているものを不融化の出発原料とすると,炭素化収率は増加するものの非多孔性の炭素体に変換されるといった結果が得られた。
一方,ナタデココのヨウ素処理では,ミクロ孔性の炭素ナノファイバーが高収率で調製できた。このことから,有機物の高分子化によって炭素固定化率を上げながら(資源の有効利用),工業的付加価値の高い活性炭が容易に作製できるといった,新たな合成法を提示できた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Effect of iodine treatment on morphological control in carbonization of polysaccharides2010

    • 著者名/発表者名
      Naoya Miyajima, et al.
    • 雑誌名

      Thermochimica Acta 498

      ページ: 33-38

    • 査読あり
  • [学会発表] シクロデキストリンの炭素化に及ぼすヨウ素処理の影響2009

    • 著者名/発表者名
      幸脇悠人(宮嶋尚哉)
    • 学会等名
      第36回炭素材料学会年会
    • 発表場所
      仙台市戦災復興記念館
    • 年月日
      2009-12-01
  • [学会発表] ヨウ素処理によるバクテリアセルロース炭素体の形態制御2009

    • 著者名/発表者名
      宮嶋尚哉(代表,共著)
    • 学会等名
      第12回ヨウ素学会シンポジウム
    • 発表場所
      千葉大学けやき会館
    • 年月日
      2009-10-29
  • [学会発表] 多糖類の炭素化過程におけるヨウ素処理の効果-細孔特製に及ぼす影響-2009

    • 著者名/発表者名
      宮嶋尚哉(代表,共著)
    • 学会等名
      第10回エコカーボン研究会
    • 発表場所
      明星大学日野校舎
    • 年月日
      2009-10-02
  • [備考]

    • URL

      http://www.ab11.yamanashi.ac.jp/ABA/No3/sub2.htm

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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