パルス幅がフェムト秒オーダーの超短パルス光(フェムト秒レーザー)を透明材料内部に集光照射すると、光と固体の間で多光子吸収反応などの相互作用が起こり、結果として屈折率変化領域やボイドの形成が起こる。さらに、レーザーの集光条件を調整することで、集光点付近のビーム形状を線状に変化させることも可能であり、本現象は一般的にフィラメントと呼ばれる5単結晶内部にフィラメントが形成する条件にて集光するとぐ結晶の異方性に起因する転位パターンを形成できることを確認した。転位密度は、通常の結晶に見られる転位密度に比較して10倍以上も高密度であることを確認しており、さらに転位線は一定の方向を向いて並ぶことも発見した。転位パターンは、結晶の入射面により変化することを確認しており、このパターンは結晶の方位関係から考察すると極めて理論的であることが分かった。転位領域ではレーザー照射に起因するひずみが蓄積されていることを偏光顕微鏡にて確認しており、未照射領域との間に屈折率差が生じていることも確認した。偏光フィルターを通して直線偏光にしたレーザー光を転位パターンに透過すると、レーザーの偏光に依存した回折パターンが形成されることを発見した。レーザーを利用した転位パターン形成に関する、基礎的な部分を解明することができた。
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