高周波マグネトロンスパッタ装置と真空蒸着重合装置が連結した装置を用い、スパッタ法でアルミナ膜を、真空蒸着重合法でポリアミド酸(ポリイミドの前駆体)を製膜した。製膜後ポリイミド酸の熱イミド化を行い、ポリイミド膜を作製した。得られた膜について、製膜時間と厚さの関係や膜の基本的な力学特性(ヤング率、硬さ)を取得した。Al_2O_3、ポリイミドの成膜速度は、それぞれ~150、280nm/hで、膜厚を成膜時間によって制御できることを確認した。加熱後の材料のFT-IR解析によりポリイミドの生成が確認された。また、X線分析により、Al_2O_3層は、アモルファス状態であることが明らかになった。 この結果をもとに、Al_2O_3、ポリアミド酸を交互にそれぞれ4h、1hずつ成膜することを繰り返した。Al_2O_3層(厚さ〜600nm)、ポリイミド層(厚さ〜300nm)が15層重ねられた多層積層材料を得ることに成功した。 しかし一方で、この製法で多層膜を作る方法は非常に時間がかかることも明らかになった。そこで、スピンコーティングを用いたより簡単で迅速に多層膜を作る手法の検討にも並行して取りかかった。
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