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2008 年度 実績報告書

高生体融合性一体型人工関節用基盤材料の創出

研究課題

研究課題/領域番号 19760481
研究機関東北大学

研究代表者

赤堀 俊和  東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (00324492)

キーワードZr合金 / 力学的特性 / ミクロ組織 / 細胞毒性
研究概要

硬組織(骨)代替インプラントを体内に埋入した場合、繰り返し負荷等による破断および骨と金属製バイオマテリアルとの弾性率の相違による骨吸収あるいは骨の薄化などの不具合が報告されており、最悪の場合、再手術を余儀なくされる。本研究では、Tiより優れた生体親和性を示すと共に、弾性率がTiより数GPa低いジルコニウム(Zr)に着目し、力学的特性のバランスに優れ高生体親和性を有する新規なベースバイオマテリアル(基盤生体材料)の創出を目的とした。
Nb含有量の増加に伴い、Zr-XNb系合金の引張強さは線形的に増加したが、伸びは逆の傾向を示した。この中で、Zr-20mass%Nb合金は、それぞれ約480MPaおよび約16%の引張強さおよび伸びを示し、他のZr-XNb系合金と比較してやや良好な強度・延性バランスを示していた。同合金のヤング率は、他のZr-XNb系合金と比較して最も低い値(約58GPa)を示していた。また、その疲労限は、約400MPaであった。この場合、既存の生体用チタン合金の引張強さおよび疲労限と比較してやや低い値であったが、溶体化時効処理などの熱処理による析出強化や他のβ安定化元素の添加による固溶強化等により、強度を改善することが可能であると考えられる。細胞毒性に関しては、全てのZr-XNb系合金において、4日培養後の細胞数が2倍以上に増殖しており、Nb含有量の変化に対する細胞毒性の有意な差は認められなかった。日本白色家兎の大腿骨にZr-XNb系合金を埋め込んだ場合、Nb含有量の増加に伴い、骨融合性(異種材料と骨組織との化学的結合 : オステオインテグレーション)が向上する。この場合、5から10mass%Nbの含有量を境に骨融合性が著しく変化していた。この結果より、合金化によって骨融合性を制御できる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 生体用Zr-Nb系合金の機械的性質と酸化挙動2009

    • 著者名/発表者名
      近藤祐介,新家光雄,赤堀俊和,仲井正昭,堤晴美
    • 学会等名
      日本金属学会2009年春期(第144回)大会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      20090328-30
  • [学会発表] 生体用Tチタン系およびジルコニウム系合金のミクロ組織と力学的特性2009

    • 著者名/発表者名
      赤堀俊和, 新家光雄, 仲井正昭, 堤晴美
    • 学会等名
      第21回バイオエンジニアリング講演会
    • 発表場所
      東北大学金属材料研究所
    • 年月日
      20090123-24
  • [学会発表] 生体用ジルコニム・ニオブ系合金の力学的生体親和性2008

    • 著者名/発表者名
      赤堀俊和,新家光雄,仲井正昭,堤晴美
    • 学会等名
      日本金属学会2008年秋期(第143回)大会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      20080923-25
  • [学会発表] アルカリ処理プロセスによる生体用チタン合金へのHAp形成能に及ぼすNb, TaおよびZrの影響2008

    • 著者名/発表者名
      赤堀俊和,新家光雄,仲井正昭,藍立浩明
    • 学会等名
      軽金属学会第114回春期大会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      20080509-11
  • [学会発表] 生体用Ti系およびZr系合金の高力学機能化2008

    • 著者名/発表者名
      赤堀俊和, 新家光雄, 仲井正昭, 堤晴美
    • 学会等名
      東北大学金属材料研究所共同研究ワークショップ「若手バイオマテリアル研究者の研究・開発動向」
    • 発表場所
      東北大学金属材料研究所
    • 年月日
      2008-09-05

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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